旅をしていると畦道の途中に石碑があり、そこに詩がある。誰が残したか分からないその詩を前にすると、その場所がそこで暮らす人々によって紡がれてきた時間なのだと感じる。御茶屋跡には、大切な友人が作ってくれた白い座布団がある。そこに座りながら眺める瀬戸内の海は格別で、肌に触れる風がいつも大切な何かを教えてくれる。特別なことよりも、ありふれた日常の中にこそ、日々の時間が積層され、かけがえのないものがあるのだと思う。この風景をどこにいても思い出したいと願い、友人のハルカさんに御茶屋跡での滞在制作をお願いした。牛窓で一緒に過ごした時間が音楽になり、それを一冊の本に綴じて、その場所に置いていく。ルカさんは滞在中、御茶屋跡のYAECAのカディを着ながら詩を書いてくれ、そのカディの生地を特別に本のカバーとして使わせてもらいました。僕らの時間は、また誰かの記憶の中で繋がっていき、いつかの畦道でみた詩のようになればと思う。

白の本

Book+CD(edition/300)
¥10,000 +tax

1.風の歌
2.夏泊
3.海辺より
4.潮汐
5.夕汐
6.月齢0
7.夕時報
8.シジマ
9.言葉
10.驟雨
11.END of WONDER
12.僕の夜
13.物語のつづき

haruka nakamura / Aco.guitar & E.piano
LUCA / Vocal & Aco.guitar
Mixed & Mastered by 田辺 玄 (Studio Camel House)
Design & Photo by Takahisa Suzuki

協力 YAECA、丹羽ふとん店
企画 図録デザイン研究室